環境にも家計にも優しいガスの話
2021年6月9日
正式にはLiquefied Petroleum Gas、日本では略してLPガス(LPG)と呼んでいます。Liquefied(液化) Petroleum(石油) の頭文字にGas(ガス)をカタカナで加えた言葉で、正確な日本語表記は液化石油ガスとなります。
LPガスはプロパン(C3H8)とブタン(C4H10)を主成分とする炭素と水素の化合物で、常温かつ通常の気圧の元では気体です。ただし圧力を加えたり冷却することによって簡単に液体に変化させることができます。冷却することによって液化する温度は成分によって異なり、プロパンで-42℃、ブタンで-0.5℃です。そのほかの気体と比べ、冷やして液化させるのは比較的簡単です。
なぜLPガスを液化させる必要があるのでしょうか。その秘密は体積の変化にあります。LPガスを液体にすると、気体の時の体積の約250分の1になり、驚くほど輸送や保管の効率がよくなります。液体のまま皆さまのご家庭に運び、気体にもどしてから利用します。
現在日本で使われているLPガスは、海外から輸入されるLPガス(約4分の3)と国内で生産されるLPガス(約4分の1)を利用しています。輸入LPガスは、主に中東地域などにおいて原油や天然ガスの生産に随伴して作られています。国内で生産されるLPガスは石油を精製して生産されています。
LPガスはご家庭向けに供給されるほか、商店や工場、タクシーなどのLPガス自動車でも利用されています。